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バリアー

妹より年若い男の子に説教された。

貴方の見た目や雰囲気で恋人がいないなんておかしいと思ったけど、原因は貴方の中にある。
一見にこにこと人を受け入れているようで、実は心の壁が高すぎると。
不意に拒絶されて、踏み込むのを躊躇ってしまうと。

返す言葉もなく、苦笑いしてしまった。
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はじまり

ないものと思っていた内示は、思わぬところに着地する結果になった。
この人について行きたい、と思えた人のところにい続けることは出来なかった。
それでも、ひと月前から約束していた食事の場で、
「貴方がきてくれて、どれほど嬉しかったか。真面目に働いてくれて、分析も丁寧で、資料もわかりやすい。それにツッコミがいい」
その言葉だけで、どれほど救われたか。
今は無理でも、この人が偉くなる頃、下につきたいと思った。
それまで頑張ろうと。

だから、中途半端なものは、振り切ることにした。
バカなことをしているのかもしれない、と思いながらも、もう、半端でいるくらいなら、前を向きたい。

ワインは苦かった。

不意打ち

上司に突然呼び出され、何のことだろうかと思いながらついて行くと、切り出されたのは、異動の話。
ただし正式な異動ではなく、期間限定の、支援としての異動。
このままこの環境にいてもどうにもならないと思っていた矢先の話に、驚いて言葉が出なかった。
同時に頭の中で、数日前に打ちのめされた「どこに行ってもだめだ」という言葉が呪いのように滲んだ。
そもそも、支援が必要な汲々とした状態のところに、身体的精神的不安を抱える自分が突っ込んで行ったとて、役に立つどころか迷惑をかけかねないのは事実だ。
考えあぐねていると、
「不安なのはわかる。だから俺も体調面の話は伝えた。そしたら、先方も分かっていてそれでも協力して欲しいそうだ」
退路が断たれた、と思った。
「やります」
呪いの言葉は見ない振りをしてみることにした。
さて、どんなことが待ち受けているのか。

もういやもういやもういや
こんな自分いやだだけど取り返しはつかない
泣いても喚いても戻らないものは戻らない

それがわたしのしごと

「貴方のせいで鬱になった」と、突然の一言。

きょうだいの色々や祖母のことや、諸々頑張っているつもりなのに、結局思い通りにならなくて嫌になるのは私なのか。

仕方ないのは分かっている。
私については、「どうにかなる」ことだからだ。
努力してもどうにもならないことは諦めがつくが、私については私が主体的にけじめをつければ終わることだ。
だから、それをいつまでもせずに冗談にして笑っているのが許せないのだろう。

糸が切れてしまいそうだ。
だけど、いま切れるわけにはいかないんだ。
「もー」って笑って、笑い飛ばしていないといけないんだ。

昔は私はひどいこどもだった。
どれだけ傷つけたかわからない。
だから、今は、どんな言葉も受け止める。
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フジ

  • Author:フジ
  • 広島在住の新米サラリーマン。
    写真、読書、音楽、言葉が好き。
    どたばた生きてるテンパりキャラ。
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